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Weekly Teinou 蜂 WomanにUPした記事内テキスト抜粋Blog

猛暑大爆笑

23日の暑さにはヤられてしまった。

炎天下のなか外に出たら、日差しというか日刺しと言いますか、ピリピリと皮フが刺される。
「あ〜! もうどうにでもしてくれ〜っ!」
って日焼け止めとか帽子とか日傘とか、そういうのはどうでもよくなってしまった。

そしたらセミもヒックリ返ってたから
「だよね〜」
って土に返しておいた。



セミらはたいてい人工的な場所であられもない姿(死体)を晒しているので、見つけたらとりあえず土に乗せるのが私の夏の儀式。
その真意を深く考えたことはなかったけれど、小さい頃からのクセのようなものかもしれないし、なんというかお詫びのつもりなのかもしれない。
なんのお詫びだ。

 



ほぼ毎日、ドアを開けて猛暑を確認してはウケている。
この前、Twitter
「いっそのこと47度くらいにならないかな」
とつぶやいたけれど、これはけっこう本気である。

マジで50度近くなったら爆笑のしすぎで死ぬ可能性も高い。
そしたら新聞で「暑さで発狂」と報道されることもなくはないので、ここに記しておこう。
私は狂ってません。ただ、ウケてるだけ。




ある人のツイートが流れてきた。

RT @philokapnos: 又吉イエスが亡くなった。有名な「僕とイエスと掘っ立て小屋」、元サイトは削除されているが、Internet Archiveに保存されているので今でも読むことができる。これを読んで以降、僕は唯一神をただのキワモノと思えなくなった。
  「僕とイエスと掘っ立て小屋」 
web.archive.org/web/2004060315…




貴重な、アーカイブ
うつくしい文章。

又吉イエスが死んで、いよいよ平成の終わり…というか、もっというと昭和の本当の終わりを感じた。

昭和天皇崩御する数日前からの、極めて有事的トーンな日本にひどくコーフンしたけど、あれは、非常事態が大好物な私だけが感じた高揚感ではなかった気がする。

キー局はほとんど川の流れとヘンテコな音楽を延々と流して、テロップやら速報などで、天皇の病状を逐一知らせてきた。



川。
ウケるでしょ、川。
なんだったの、川。
 
 
本家はこちら>

ありのままでつぶやいて。

はい。
よくない傾向だと思っていること。

リアルでは上品で、男言葉や乱暴な言葉を使わない女性でも、Twitterでフツーに
「しろよ」「だよな」「だろ」「かよ」
とか書く人多いんですよ。

で、私の場合は脳内垂れ流しですから、リアル語をツイートしておりますよね? よねっていうかそうなんです。実際。
するってーと初対面の男子に
「え。そんな言葉を…?」
と驚かれるわけですよ。



驚かれることに驚きなんですよ、私は。

だってフツーにツイート見てるんだから相手もそんなことわかりきってそうなのに、
「まさかリアルでは使わないと思ってた」
とか抜かすんですよ。
えーーーー? ですよ、こっちが。使うだろ。使うんだよ。そーゆー女とヤろうとしてたわけよ、お前。

ということで、どういうわけか女性陣が素の自分口調でつぶやかないせいで、私が迷惑被ってるんですよね。実際のはなし。
なので、冒頭の「よくない傾向」ではなくて、「私が迷惑被っていること」なわけです。
 
みなさん、リアルとツイート、同じ口調にしよ? 統一しよ? 世界的に統一しちゃおう?フツーにどっちも同じ口調の私がビックリされちゃう世知辛い世の中になっちまうんで。

なにとぞよろしくおねがいしたいです。

今までで一番恥ずかしかったこと とは ( ◠‿◠ )

今までで一番恥ずかしかったこと?

 

 

……というツイートが流れてきて、自分なりに想起してみました。

はて……?

 

ちょっと頑張ってみましたが、ありそうでない。

生きていることじたいが恥であろう私が、ここぞという特筆すべき恥はなかったのでした。

 

過去にも何度か書いていますが、以下のようなものはあります。

恥というよりももはやネタにしているハプニングです。

 

「あと一回遅刻したら留年」

と脅されていましたので、おそらく高三だったと思います。

ちなみにガッツリそのあとも遅刻しましたが、留年になることはなくただの脅迫でした。

 

で、その朝も私は急いでいました。

ダッシュで地下鉄の階段降りていたところ、チャックをしめ忘れていたのでしょう、スカートがズリズリと落ちてきます。

(おおあ、ヤバい)

と思いましたが、ずりおちるスカートよりも遅刻の方が危機。

もうそのまま突っ走り、車内に飛び乗ったとき、私のスカートは見事にヒザまで落ちておりパンツ丸見え状態です。

ハッと我に帰るも、たしかに選択をしたのは私ですし、通勤時間帯において今で言うところのJKがパンツ丸出しにしているのですから、これはもう恥というよりも慈善奉仕というべきではないでしょうか。

 

通学時は電車に乗って、そのまま彼氏のいる中華街に行ったり、鎌倉に行ったり、海や、遠いところでは長野に行ったりと好き放題やってきましたので、電車内やホームでのエピソードは尽きません。

 

人間が面白いのは、焦ったり慌てたり、日常において非日常条件が揃った時に人間性が発揮されるところ。

こんなこともありました。計算外の恥パターン。

 

ホームの立ち食いでうどん食べてる時に電車が来ました。

乗らなければならない。しかし、食べないわけにはいかない。

そこで女子高生がとった行動は、両方可能という画期的な方法。

賢い私はどんぶりと箸を持ったまま電車に飛び乗りました。

 

白い目で見られることは、当時の私は慣れていましたのでさほど気になりません。

思いのほか揺れる車内。

こぼれそうな汁。

そんなことよりも、意外な恥の主は「におい」でした。

立ち食いのうどんの汁のにおい、これは車内においてかなりインパクトがありました。

恥というのは結局のところ、想定外であることでレベルをあげるもの……。

これを教訓にして、今後半生も恥を重ねて生きたいと思います。

 

 

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ネット歴20年超えになりましたが、今更ながら顔文字の出し方を覚えてしまいました。(╹◡╹)

 

自慰を覚えたチンパンジーのように使いまくっていまして、顔文字を使いたいがためにムダにツイートをしてしまう状況です。

 

かつて各サイトが掲示板(主にTカップとかのレンタル)持ってた時に

「顔文字禁止! 書いたら出禁にします!」

と張り切ってた人たちお元気でしょうか〜! 

無断リンクも顔文字もなにもかも禁止で怖かったですね ( ´∀`)

 

……そんなこんなで顔文字に囚われた身の上で、高瀬克子らに会ったので、顔文字の出し方を伝授しました。

彼女も知らなかったらしく、顔文字合戦に (╹◡╹)

 

 ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ

 

 

Twitterでウザすぎてリムーブを超えてブロックされるくらい顔文字を使っていきたいです。

よろしくおねがいします。

 (╹◡╹) 

(O_O)

 (๑・̑◡・̑๑) 

ʕ•ᴥ•ʔ 

˚✧₊⁎❝᷀ົཽ≀ˍ̮ ❝᷀ົཽ⁎⁺˳✧༚

正しいことはたいがい面白くない



語り部の土屋がお送りする、マリ子ちゃんの思い出

いつのころからかわからないけど、インターネットがこんなにまっとうなことを語る人ばかりで埋め尽くされてしまうとは思わなかった。埋め尽くされているのではなくわたしの巡る界隈でブチ当たることが多いのだろう。でもそれは残念だ。少なくとも類い稀な才能を発見するのが容易くない。「面白い」という言葉が、「笑える面白さ」ではないコトとして使い果たされる。それはあまりにももったいない。

毎回ホームルームの時間に手をあげてわたしの悪行を滔々と語ったマリ子ちゃんという女を思い出す。

わたしが空き家を探検してドアをブチ壊したことや、ミドリガメの砂利をよそんちの窓に投げて逃げたとか、運動会でおんぶ競争をして6年生のお兄さんのケツを蹴りあげていたことなどを迫真の演技でいちいち語っていた。女優だった。小2にして大女優。最後にはかならずこう言うのだ。

「そういうことはしてはいけないと思います!」

アゴをあげてものすごく正しい顔で発表するのだ。
悪いがわたしは上福本先生に誰よりも好かれていた自負がある。チクられたことよりも、先生を苦笑させ困らせているマリ子ちゃんが恨めしかった。あのくりくりの栗毛はたしかにかわいかったが、天パーだったので思春期には苦労したことが予測できる。


わたしは小2ですでに悟ったのだろう、正しいことって、面白くねーな。
言いすぎだろうか。だとしたら、正しいことは、面白いことがあまりにも少ない。どうだ、これでいいか。正しいか否か、そんなことはどうでもいいから、わたしの前から『正』の字を消して。世の中もネットも、そんなきっちりした文字が溢れすぎている。わたしは黒いターバンを目に巻いて、あるいは工藤ちゃんのアイマスクを目にかけて、『正』の字を華麗にかわしながら歩き続けたい。

 

こちらのコラムは本家ハチの転載になります。
Twitterまとめなども含めた本文はWeekly Teinou 蜂 Womanからどぞ

 

【へ】偏平足 なんにもしてないのに、なんにもしてないのに~

【へ】偏平足 ヘンペイソク(Wikipedia

「今度のBlogのお題は『へ』なんだけど、なにがいいかな。『偏屈』『変人』あたりは書きやすすぎてつまんないから名詞にしたいんだよね」
と言ったら、
「そうだね、『偏屈』『変人』はそのものだからね」
と返されて絶句した土屋遊です。こんにちは。生粋の偏屈や変人さんたちにとんだ無礼を......。
ちなみに、一児の母である高瀬克子さんは
「『へ』でいいじゃん、『屁』で」
と言っていました。

……ということで、そこから出た『偏平足』を今日のお題にします。

rosettes:

Miu Miu Fall/Winter 09

偏平足といえば、同級生のTを真っ先に思い出す。
俊足だったTだが、自分の偏平足をたいそう気にしていた。足のウラの、誰にも見えないそんなところにコンプレックスを持つTがまったく解せなかったし、滑稽でもあった。

そして迎えた小学校最後の運動会である。
赤、白、互角の戦いの中、みんなが一丸となって燃える騎馬戦で佳境に入った。
裸足になって準備のために並んでいる時、わたしは対戦相手である赤組のTに向かってこう言った。
「T、足のウラ、みせて」
突然、Tが泣き出したのである。
え! ええーーーっ!?

裸足で校庭を歩けば、とうぜん偏平足であるTの足のウラは土で真っ黒になる。それを見越して、戦意喪失させるつもりではあったがまさか泣くとは……! 作戦成功にもほどがあるでしょう!
「Tなんにもしてないのに、Tなんにもしてないのに、アソビのいじわる~」
ヒックヒック泣きながら、誰にともなく訴えるT。
あ~あ、泣かせちゃったー。というみんなの冷たい視線。
数人に取り囲まれ、なだめられるTを横目にわたしはシカトをきめこんだ。
こんなことに翻弄されていては、リレーの次に楽しみにしていた騎馬戦を楽しめないっ!

だが、その後の騎馬戦のことは
「イケーーーッ!」
と、自分を鼓舞するように叫んだこと以外、まったく覚えていない。
『騎馬戦』や『偏平足』の単語を耳にしたとき、まっさきに思い浮かぶのは
「Tなんにもしてないのに」
という、あのセリフなのだった。

泣き虫Tは、学生時代、わたしたちの通った塾の講師のバイトをし、今では立派に小学校の先生をしている。思えば、『偏平足』イコールTという方程式がわたしの脳内にインプットされてしまったことは多少気の毒でもある。どちらにしても、何事もなかったかのようにケロッと仲直りしたはずだったが、結局わたしは、あの日のことに関して、いまだに「ごめん」と言えないのだ。まあ一生言わないだろう。

余談だが、「なんにもしてない」といえば、浮かぶ人がもう一人。
「わたしは何もしていないのに、子供を授かったのです!」
と、血気盛ん・精力全開な中2に向かってシャーシャーと言い放った担任宮坂は、指一本触れたことないダンナとの間に、子どもができたとホームルームで大々的に発表した。
わたしを見れば宮坂は
『キミを信じよう』
などという意味不明なセリフを口癖のように言っていて、ドラマ仕立てのあの眼光を見て吹きださない術はとっくに習得していたけれど、この処女懐胎には吹き出した。しかも相手は保健体育の教師である。おい、なに教えてんだ。
本当に彼女がわたしを信じていたかどうかは定かではないし、限りなくどうでもいい話だけれど、信じている相手に向かって、なんども「信じよう」と言うのは逆効果だということだけは学んだ。
あのセリフがよほど気に入っていたのか、宮坂はわたしの色紙にも同じ文句を書いていた。
どっかいっちゃったな~あれ。いまだに「なんにも」してないのかな~。





本日の、【へ】に関するオススメ本。
読みやすくってタメになる。(東京情報)

 

こちらのコラムは本家ハチの転載になります。
Twitterまとめなども含めた本文はWeekly Teinou 蜂 Womanからどぞ

【ね】寝る ヤなことあったら寝てしまえっ!

【ね】寝る

寝ることは得意だが、起きることは苦手だ。

(via This Puppy And Baby Are The Most Adorable Nap Time Pals)

なんの防衛本能かしらないけれども、イヤなことがあると寝てしまうという妙な奇病(クセ)をわたしは持っている。
あっ! やっぱりわたしはイヤなことをしたり聞いたりすると眠っちゃうんだ!
と確信したのは、息子のオンに説教をしていたときのことだった。
差し向かいで晩ごはんを食べながら、なにやら滔々と話しつつも、心中では、イヤだな〜こんな説教したくないな〜と思っていた。そのうちにカクンと寝てしまった。寝オチにもほどがある。
起きたのは深夜2時くらい。
右手にお茶碗、左手にお箸を持ったまま、座位で眠りこけていた自分に、一瞬なにが起こったのかわからないほどだった。
テーブルの上には食べかけの干からびた料理が並んでいて、肝心のオンはもう布団をかぶっていた。
え。え? マジー! ラッキー! と思ったにちがいない。わたしを起こさないよう、音を立てずに細心の注意をはらいつつ布団を持ち出したであろう彼の姿を想像すると、おかしくておかしくて笑いが止まらなかった。
今考えてみれば、食事のさなかに目の前の人間がトートツに寝てしまったら、気を失ったのではないかと心配するのがフツーだろうに、それよりも説教がいきなり止んだことのよろこびで、彼はそれどころではなかったのだと思う。

それ以前にも、オカンの長〜い話を聞いていると、すぐに寝てしまう自分が不思議でならなかった。居眠り病(ナルコレプシー)かと疑ったりもしたけれど、どちらかというと良いようにとっていて、子宮の中にいたころの郷愁がそうさせるのではないかと思っていた。そばにいれば叩き起こされるのだが、電話ともなると当分のあいだ、オカンは気付かずに話しまくっていた。相槌など打たなくても、自分の話を聞いてくれさえすればいいのである。そのうち大声で
「聞いてるのっ!? 寝てるんじゃないでしょうね!」
と叫ばれるので、ハッと目覚めるのだが、一度だけ受話器をソファの下に落としたまま熟睡していたことがある。そのときは、わたしが倒れたと思ったらしく、うちの隣宅に電話をして、
「アソビが電話の途中で倒れたから見てきてほしい」
と大騒ぎになった。隣人と、向かいの住人が血相を変えて
「土屋さんっ!土屋さんっ!」
と起こしにきたときも、何が起こったのか飲み込むのに時間がかかった。
けっきょくオカンの長い話を聞きたくないという逃避現象であって、子宮回帰願望でもなんでもなかった。野生の本能だとしたらあまりにも危機管理ができていない。生きるための知恵とでもいうべきか。うん、それに近い。

昼寝 (by asobitsuchiya)
佐渡の小料理屋の前にて

アルコールを飲むと、バスの停留所だろうが公園のベンチであろうが寝てしまう。放浪時代はそれこそいろんな場所で寝た。それなりに『寝』に関するエピソードはあるのだが、起きた時に一番印象に残っているのは高校時代のことだ。
授業中、どうしても横になって寝たくなり、後ろの方へ行き、学生鞄を枕にして完全な就寝体制をとっていたときのことだった。教室内のざわめきで目覚めると、真っ黒な巨人が、わたしをまたいで仁王立ちになっていた。あの時の驚きたるや。夢ではないかと疑ったほどだ。
巨人は家庭科の先生だった。逆光で影になり、一瞬真っ黒に見えていただけのことだったのだが、友人らの話によると、先生は握ったこぶしを震えさせつつ、わたしの寝顔をしばらくのあいだ見ていたらしい。わたしは交通事故にあった人のように、クラスメートたちに取り囲まれながら目を覚まし、巨人を目撃したのだった。
先生にはほかの件でも怒りをかい、夏休み中にオカンが呼びだされたことがあるのだが、新学期になってみたら彼女は心臓発作で亡くなっていた。
「教師生活を長くやってきましたが、こんなことは前代未聞です! 寿命が縮まりました!」
の言葉がわたしに重くのしかかった……と思うでしょうが、実はそうでもなく、ああ~死んじゃったのか~くらいの思いしかなかったです。友人らからは『殺人事件完全犯罪』と言われている。若さってこういうもんなのかな。あの時はすみませんでした。渡辺先生、どうか成仏して下さいね。わたしは今も、たくさんのところで寝ています。


本日のオススメ本
眠り病(ナルコレプシー)を患っていた色川先生の絶筆となった小説
 
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【に】夜のにおいがする

【に】におい

 夜の匂いがある。アダルトチックなものではなくて、本当に『夜』の匂いだ。夜道ではない。”夜道を歩いて”うちに来た人だけが放つ独特な匂い。そんなときにはいつも
「あ、夜の匂いがする」
と言って、相手はハテナという顔をする。あの匂いは、誰であっても同じ。もしかしたら、冬だけに限られる、冷たい空気の匂いかもしれない。でも昼間はしないから、やっぱり夜の匂いなんだろう。あれを嗅ぐと、どんなにケンカをしていた相手でもつい許せてしまうような気がする。夜道をごくろうさま、と、愛おしい気持ちになってしまう。何らかの作用があるのかもしれない。『夜のにおい』香水でないかな。いや、やらしい意味じゃなくて。つかなんなの、ベッド専用香水とかって。

I’m Sad.Everything is over.
GINZAは二度と買わないし読まない。視界にも入れたくない。
銀座にも行きたくない。戸越銀座にもだ。
(via Romulo Sans “Crushed” At White Box Gallery | Trendland: Fashion Blog & Trend Magazine)

 男のつける匂いはまったく悪臭だと思う。頭が痛くなるような、きらいな匂いが多いうえに、コロンを付けるという行為そのものがおぞましい。彼の家の洗面台に、たくさんのガラスの瓶が並んでいたのを見た時は、心底辟易した。あーヤダヤダ。あれはいったいなんのつもりだろう。臭いのか、臭いからコロンをつけて、なんとかごまかそうとしているのか。体臭を消すために用いる香水は、本来の付け方として正しいのかもしれないが、どっちにしてもやめていただきたい。わたしはまだ腋臭のほうがマシだと思える。

 一時は男が変わるたびに、つける香水を変えていた。なんとなく、自分のつける匂いが、以前の男を彷彿とさせてしまうのが彼氏に少しだけ申し訳ないような、うしろめたいような、そんな気がしていた。だけどもそんなに好きな匂いに巡り合うわけでもなく、最近ではもっぱら同じものをつけている。たまに
「あ、アソビの匂い」
って言われる時がある。オカンにはいつも、ケダモノのにおいがするー! と言われているので、いい匂いが定着するのはちょっとだけうれしい。

 友人でもあり同僚でもあるKは、とても匂いに敏感で、わたしが煙草を吸って事務所に戻ったときなどは、クサイクサイ! とまるで害虫でも追い払うように、ファブリーズを吹きつけてきていた。髪の毛がにおうと言われ、給湯室で洗髪したこともある。もちろんドライヤーなんてないから、タオルを頭に巻いたまま仕事をしていたが、なんだったんだろ、あれは。今考えると異様な光景だ。彼女は社長にも、「男くさい」から席を代わってくれと申し出たこともあった。とにかく万事がポジティブである社長は、くさいと言われたことよりも、男と言われたことに「男扱いされたー」と、嬉々として席替えを承認していた。ちがうだろ、そこ。

 好きな匂いっていったいなんだろう。前述の『夜のにおい』は好きというにはすこし切なすぎる。オカンの服を着ると、彼女のにおいがするけれど、べつに好きではない。夜道の住宅街を散歩していてどこからともなく漂ってくる、どこかの家の晩ごはんの匂い。あれは好きだ。あ、肉じゃがだ、とか、カレーだ、とか、さんまの焼いた匂いだとか、話しながら歩くのも楽しい。銭湯の匂いも好き。あれはカビの匂いと教えられてとても残念な思いをしたけれど、銭湯はきらいなのに銭湯の匂いは好き。もしかしたら一番好きかもしれない。

(via Kostis Fokas’ Sexually-Charged And Inventive Photographs (NSFW) - Beautiful/Decay Artist & Design)

 最近は香水を身につけている人が少なくなった気がする。バブルの時代は、猫も杓子もつけていたのではなかったか。わたしは銀座で働いていたので、あの頃は街中がいろんな匂いに包まれていたんだろうなあー。あ、『匂い』と『包む』って漢字が似てる。


本日のオススメ本 
先に映画を観てしまったのが悔やまれた一冊。小説からリアルににおってくる。

 

こちらのコラムは本家ハチの転載になります。
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