北斎とジャポニズム展 HOKUSAIが西洋に与えた衝撃



葛飾北斎の展示会は過去に何度も開催されているし、中途ハンパなのでは…? と思ってたけれど、逆に、常軌を逸した北斎の才能を突きつけられたような展示会だった。

西洋画家が彼から影響を受けたことは、ドガやモネ、ゴッホ……とうろ覚えながら、他の著名な画家(とくにルドン!!)、西洋の編集者と、かなりの数にのぼることを知って、大海を超えて持って行ってくれたコレクターありがてぇ…ってなぜ私が感謝なのかわかんないけど、まさかの愛国心だろうか……。
北斎作品所蔵が抜け目なく外国に多くて「日本なにやってんだよ!」という気分にも改めてなった。(なので愛国心とかじゃないですね、愛北斎心ですね)

世界的にどんなに有名な絵画でも、北斎漫画の方がずっと魅力的だ。1枚に何作も載せてある一筆画でさえ、ひとつひとつが完璧なラインと動きと構図……。比較する名作があるから、よけいにそのことが際立ってくる。改めて驚愕した。


ポール・セザンヌ 《サント=ヴィクトワール山》


冨嶽三十六景 駿州片倉茶園ノ不二

あのバランス感覚と、被写体を見る眼力、波の飛沫ひとつとってもムダも過剰もなく、色形、引きで観た時も合わせてパーフェクトすぎて、本物の波より力強く波を感じると言ってもいいと思う。

影響という面でいうと、一見するとかなり差があった。
そのまま丸パクリしてる陶器ブランドなどは、まさか何百年後に日本でお披露目になるとは思わなかっただろう。(そもそも当時、その錦絵の作者も知らなかった可能性もある)

習作として、完全に模写している作品もあれば、
「うわっ! この大作…構図がほぼ同じ……」
というのもあり。反面
「えーこれ影響受けてるんですか…?」
と疑問に思ってしまう作品もあって(もちろんきちんと裏づけやその筋の人たちの見解なのでまちがいはないのだと思います)、私のような素人でも、比較しながら観るのは楽しい。子供でも充分楽しめる内容になっていて、実際に小学生くらいの子も複数いた。(春画は少数でブースが設けてある)

今回の展示は、北斎の、人間離れした、絵に取り憑かれた魂を再認識できるいい機会だった。

北斎とジャポニスム 特設サイト 国立西洋美術館 1月28日まで