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Weekly Teinou 蜂 WomanにUPした記事内テキスト抜粋Blog

【る】ルイベ 必殺必死必勝!しりとりガイド

【る】ルイベ
そ~いえば最近あまりしなくなったけれど「しりとり」が得意です。わたしの場合、しりとりで重要なのは「る」なんです。「る」が勝敗をキメるといっても過言ではありません。
他の方々は知りませんけども、他の50音と比べて「る」で始まる名詞が圧倒的に少なく、それを見越してまずは「語尾る攻め」と名付けた「『る』で終わるコトバを探す」攻撃からスタートします。
あひる、アルコール、イスタンブールショーガールスペースシャトル、味噌汁、ローラースルー……。


(via Lula to launch Japan magazine. But are we in girlie burnout? ◎ガーリー飽和状態?日本版ルラが秋に創刊)

それに気付いた相手は、なんとか反撃を試み、ここから勝負は佳境に入ります。あるていどの「るストック」は用意しておかなければなりません。
出し尽くし、もうあとがない頃、いまです! 最後の勝負にでるのです!
「る」からはじまり「る」で終わる、「ルール」や「ルイスキャロル」を小出しにしたあとラスボスを登場させます。敵を小バカにしたような、精神的にも大きく痛めつけることができる名詞、そのしりとりゴロシの二大大御所が「ルール」、そして「ルル」です。そう、あのかぜ薬のルル! これがとにかくダメージを与え、ペチャンコにするには最強だとわたしは思います。

えーっと、テーマは「ルイベ」でしたね。わたしはこのように、しりとりに関してただならぬ情熱をかけて勝負をしますから、いつも頭の中は「る」でいっぱいなわけです。で、しりとりの最中、内心で困っていたとき、知らないコトバがでてきて大ゲンカになったことがありました。それが本日の主役、「ルイベ」であります。
相手が誰だったか忘れましたが、わたしが例のごとく「語尾る攻め」を発動していると、敵が絞り出したように
「ルイベ!」
と言ったのです。はあ? なんじゃそりゃあ? 困り果てたあげく、降参するのが悔しくて、つい苦し紛れに自家製コトバを作ったのだと思いました。トチ狂ったんでしょうか。もちろんわたしがそのコズルイ戦法に容赦するわけがありません。
「なに言っちゃってんのーーーーー!」
とたたみかけました。すると、他のモノたちが「ああ知ってるー」「あるよね、ルイベ」「アソビ、知らないのー」と、一気にわたしを責めはじめました。当時はスマホもケイタイさえない時代でしたから、その場で調べるわけにもいかず、民主主義に負け、苦汁をなめることになったのです。
とはいえ、わたしのことですから、勝負には勝ったと思います。思いますというのは記憶にないからです。「ルイベ」という未確認コトバが頭から離れず、いったいルイベとは……? 居酒屋によくあるというその謎の食べ物とは……? その後、ルイベ脳になったことは言うまでもありませんが、まあその日のうちに忘れちゃいましたね、ルイベ。でもしりとりをするたびに、正体もわからないまま
「ルイベ!」
と何回も使用させていただきました。

(via FFFFOUND! | Every reform movement has a lunatic fringe)

そして月日がたち、とうとうわたしは今世紀最大の謎「ルイベ」と遭遇することになります。たしか、旅行先で立ち寄った飲み屋だったと思いますが、そこに「ルイベ」がありました。
「ああああああーーーっ!」
わたしは迷うことなく注文し、胸を高鳴らせながらヤツを待ちました。とうとう「ルイベ」とのご対面という、長年の夢(忘れてたけど)が叶う時がやってきたのです。

で、やってきたのは、まあ皆さんご存じだと思いますが、しがない鮭の冷凍食品でした。(サケではない場合もありますルイベ)100年の恋もさめるとはこのことでしょーか。しかもわたしは、冷凍だろうがなんだろうが、生のサケはキライなのです。その瞬間、モーレツに「ルイベ」に腹が立ってきました。おいコラ! バカにしてんのか! なにがなんだかわかりません。いや、わかったんだけど、わかりたくないっ!
ル! イ! ベ!
どうですか? どこにも「冷凍」や「サケ」を彷彿とさせる文字が見当たりません。まったくフザけるのも大概にしていただきたい、と思いましたね。わたしは。
そうして憎みながらも、わたしはまたしりとりのたびに、元気よく「ルイベ!」と叫んでいるのです。

以上、4年前の本日、本家のハチにアップしたコラムでした。