WTBW Text Blog

Weekly Teinou 蜂 WomanにUPした記事内テキスト抜粋Blog

ヤンキーはもうそろそろ、日本の民族と位置付けてもいいんじゃないか?

わたしはヤンキーが好きです。どれくらい好きかというと、なりきるくらい好きです。
Delinquent Girl27 (13) (by asobitsuchiya)
Delinquent Girl(Woman) - a set on Flickr

語源は北部アメリカ人を意味する俗語の「Yankee」だったそうですが、これは日本独自のヤンキーを愛する者にとって、どうも釈然としない話ではあります。

良い行いをしないという点において、不良ではありましたが、ヤンキーには属していなかったわたしにとって、彼らは大変興味深い民族でした。なにしろ群れたがる。要するに1人では何もできない臆病な人種なのだということは明白です。律から逸脱したように見えて、これほど無個性な方々はいません。一目でヤンキーだとわかるように、いでたちもほとんど同じです。そして、漢字が読めないことへのコンプレックスが、「夜露死苦」などと刺繍された服をひけらかすことに繋がっていくのです。



これほど純朴な種族がありましょうか。
そして悪人ではありませんでした(例外もありますが)。むしろ善人が多い。
わたしは小学生の頃、ヒッチハイクをマイブームとしてせっせと道端で親指を立てておりましたが、乗せてくれるのは決まってヤンキーの兄ちゃんでした。

それにわたしは学生時、一匹狼的な存在を満喫しており、いわゆるどのグループにも所属していませんでした。ですので、どのような集団にも厚かましく、縦横無尽に飛びまわっていたのです。今思えば、ヤンキーに属する彼らほど、単純で明確な人たちはいませんでした。
頭にくれば怒り狂う。温情には過剰に厚い。裏切り者には制裁をくわえる。早い話が、すべては頭の悪さに起因しているものだったかもしれませんが、詮索も邪心も腹の探り合いもない、こんなわかりやすい人たちとつきあうことはとても楽でした。なによりすべての決着は暴力で解決するのです。こんな単純明確なジャッジがほかにありましょうか。

いまだ、死語にはなりそうもないヤンキーですが、これはいったいいつまで続くのでしょう。
最近ではマイルドヤンキーなどという言葉も生まれてきたようで、NHKで特集を組むまでになっています。ヤツらがいう定義をあげたものが、以下になります。

・絆・仲間・家族という言葉が好き
・地元(家から半径5km)から出たくない
・車(特にミニバン)が好き
・ショッピングモールが好き
EXILEが好き

んー。どれもこれもわたしにはまったく縁のない話です。やはりわたしはヤンキーにはなれそうもありません。人は、自分にないものを求める傾向にありますから、だからこそ彼らに惹かれるのかもしれません。

とはいえ、マイルドヤンキーとは言い得て妙だと思います。これからどのような進化を遂げるのでしょうか。

 

ピンポイントヤンキー、アナログヤンキー、ウルトラヤンキー、内弁慶ヤンキー、ヤンキー、似非ヤンキー、独立独歩ヤンキー、地球にやさしいヤンキーことエコヤンキー、地球温暖化ヤンキー、アナグラムヤンキー、ピンからトリオヤンキー、agehaヤンキー、死霊のはらわたヤンキー、レミゼラブルヤンキー……もうこうなったら見境なしです。



ヤンキーとてまあ今どきですからスマホを持つ方もいらっしゃるでしょう。しかし、インターネットを頻繁にやるような方、これはもうヤンキーとは言えません。失格者です。そんな人は、ヤンキーの風上にもおけません。意外に思われるかもしれませんが、ヤンキーは保守派なのです。じいちゃんばあちゃんを大切にします。
その証拠に、面白半分に浮浪者を狙い、殺害したクソガキどもは、ヤンキーであったためしがありません。
そして読者の皆さんの中には、ヤンキーを見たことがないと言い張る方もいるかもしれません。見たことないのではない、目に入らないだけなのです。
深夜のドンキホーテに行けば、
「え。こんなにヤンキーはいたの? 今までいったいどこに隠れていたの?」
というくらい遭遇率99%ですからぜひお試しください。

各国に、その姿・伝統を死守している民族がいるように、ヤンキーもまた日本の文化であり「民族」と言っても過言ではないのではないでしょうか。
ヤンキーは、時代が流れても手を変え品を変え生き残っていくような気がします。
つか、そうであってほしい! 頼む! 夜露死苦

Delinquent Girl (7) (by asobitsuchiya)
最後にもう一枚。オトンのスマホに大事に入っております。

 

こちらのコラムは本家ハチの転載になります。

Twitterまとめなども含めた本文はWeekly Teinou 蜂 Womanからどぞ